洋服を買うときに必ず帽子のことが頭をよぎる。それほど私にとっての
帽子は洋服と一対なんです。想えば幼少の頃からいつも帽子を被ってい
た。いつも父が母が私の頭にのせてくれていたあの懐かしい想いでの
可愛いい麦わら帽子。そこに蓮華の花を飾り、踊りだす少女。あのおば
さんもお爺ちゃんもお婆ちゃんもみんな良い顔をして手をたたいてくださっ
た。帽子よりもその時は蓮華の花がひときわ目立っていた。
花びらは舞う 少女も舞う カラスも里の山へ帰る
早くこいよゲンジボタル
私の乱れ舞いに
蛍ちゃんの乱れ舞を重ねて
仲良く踊ろうね
そんな私が年を重ねるたびに帽子に対する愛着が増してきました。
頭上に被る帽子は両親からしっかりと受け継がれて私の帽子への
こだわりと又原点でもあります。娘から申しますのは少しおこがましい
のですが、そこはお許しをいただいてーー
私の父は明治生まれの人で目鼻立ちのしっかりと整った人でした。
若き頃、相撲が一番強かったそうです。
強くって包容力があって みんなから頼られて心温かい人でした。
農林省関係のお仕事についていましたので
いつも玄関先で被る帽子の手馴れた姿が今も忘れません。
母も明治生まれで色白美人で私など足元にも及びませんでした。
帽子も着物も良く似合いとても上品な母でした。
私の趣味は他にもありますが、今日は私の帽子とすこし洋服について触
れて見たいと思います。
お洒落が大好きな私は完璧に近い身なりをしないと何故か満足しませ
ん。和洋そして飾り物をコーディネートしたり、デザインの閃きにのって
考えている余暇の時間に束の間の喜びを感じています。こちらは完璧で
はありませんが、何とか洋服も着物もそして飾り物も作れると言う少しの
強みがありまして、これを武器にして買ったものにしても私好みに少し
手を加えるだけで随分と変わります。そうすると道中知らない人ともコミニ
ケーションが取れる事が多いです。
(この服何処に売っているのですか)ーーと良く訪ねられますが、
いやいやこれは貴方様しか似合わないですねーーとおっしゃいます。
夏の帽子
市販されている夏の帽子は出来るだけ飾のついていないものを探しま
す。でも、もし小さな飾がついていたらそれを外さないでうまく陰の力に成る
ようにと私の指先が魔法のステッキのようにめまぐるしく動きだします。
寂しかった雰囲気の帽子がいい感じに出来上がります。
そして春夏秋冬私はいつも帽子を買うときは、まず街行きに被る帽子に
こだわっております。それに帽子の質選びにも気をつけます。被ったときに少
しは型が整えられるような質感の物が助かります。又少しならスチームア
イロンで型を整えます。麻のような値段の張るものは原型を崩さないよう
にしております帽子に飾る生地は特に盛夏には帽子の色使いに気をつ
けています。大きなつばのある帽子ほどまわりの人への清涼感の気配り
もあっていいのではと考えます。そんな心のゆとりが欲しいものです。
最近あるお店で・・・これは帽子用の飾りではないのですが・・・縫う手間
を省く出来上がりのいいものを見つけました。それがポリエステルのオー
ガンジでちょうど帽子を一回りできて、大きな創作結びも作れると言う長所があ
りました。それと合わせて、薄い水色と他に地模様が入った出来上がりの物も
いくつか買いました。又、先染めのカット販売した物など、シフォンジョーゼット
の江戸紫色の切り売りなども更なるお洒落の幅を演出してくれます。シン
プルな帽子には帽子と同色系の少し濃い色で、幸せがやってくるようにと
蔓のような飾つけもします。
TPOも考えて逆に小ぶりのモチーフにするときもあります。それから
光物についてですが、飾になるスパンコールもお洒落ボタンと同じで少し
値が張りますが、ダイヤのように強い光を発射するカットの物も売っており
ますので取り入れております。
さて、私の冬のお帽子はウールハットのものばかりです。
ここに新たにベルベットの飾を時につけることもありますが、これは目に
入ったお店で買つておりますので、高級なお帽子ほど手直しはいたしま
せん。又フォーマルハットにネットがついていない時には自分でつけるよ
うにしております。
私は上京前まで着物学院のタレント講師として、他に何箇所も教室
を持っておりました経験から、大勢の生徒さんと関わっていた現場での
経験をもとに、帯結びをヒントにして創作結びを帽子の飾りにも取り入れ
ております。それに帽子を被る時のわずかな角度で、大発見するとき
があります。
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