私のお爺ちゃんの先祖は大分県らしい
そんなお爺ちゃんが住んでいたのは、鹿屋市の高台で目の前は県道だった。
お正月やお盆が近づくと おじいちゃんはよそから仕入れて来た
お洒落な服をどっさり大袋に詰め込んで、それを背中にしょって街はずれの私
の家にやってきました。
よいこらしょーーと言って荷物を下ろすと、お爺ちゃんはポタポタと
落ちる汗を手ぬぐいで拭きながら、大袋からお洒落服を取り出すと、孫たちは
一斉にお爺ちゃんを囲み騒ぎ出します。
わぁー奇麗かーーありがとう ありがとうーー
お爺ちゃんこれあたいのもの?
それスーちゃんのものだ。
これはあたいのもの?
それはカー姉ちゃんのものだ。
お爺ちゃんこれはあたいのものよね?
これはあんちゃんやチビ君のものだ。
まてまてーー
: 泣き虫ちゃんは生まれたときから、毎日空のほうを見て泣くことばかり、
近所の人たちもやってきては、みんな頭をかしげていたふしぎな子だった。
泣き虫ちゃんにはこの大きな太陽のような柄のワンピースや
私はもう嬉しくって嬉しくって、お爺ちゃんの廻りを何回も走り回りました。
その夜はおじいちゃんからのプレゼントを抱きしめて休みました。
まだこの時代には、だーれもだーれも持っていないような、それはそれは
大きな花模様のマリ
可愛いいお帽子
可愛いお靴
お菓子いっぱい |
|
おじいちゃんはこれを遠くまで買い付けに行くのが、お爺ちゃんの一番の
楽しみだと言ったと、母に聞いたことがあった。
何処に売っていたのか田舎育ちの私たちにとっては、このお正月とお盆は
まるで夢のようなお洒落をさせてもらいました。
おばあちゃんは育ちのいい出の人でそれはそれは美しい人だった。
それにお爺ちゃんの斜め後ろに一歩下がって、畳に腰を下ろしてとても控
えめなお婆ちゃんだった。
私の憧れのお婆ちゃんでもありました。
遊びに行くといつも大釜で何時間も煮詰めた、辛いもさつまいもの飴を作っ
てくれていました。 ネバネバの甘いさつまいもの飴が、割り箸に巻きつけ
られます。
それは今の時代にはあまり見かけない絶品の味です。
今想うとお爺ちゃんお婆ちゃんって、本当に孫たちを大事にしてくれていた
んだなぁーと懐かしく蘇って来て胸が熱くなってきました。
そう言えばこの私も気が向いたら、孫の服や自分の服を遠くまで買いに行
く性分ですから、私ってお爺ちゃんと少し似たところがあるのねと、独り言を言
っております。
これから私も孫をもっと大事にして、心を上げたいと改めてそう思いました。
私のお爺ちゃんお婆ちゃんたち有り難う。
そして母方のお婆ちゃんもすごく腰を曲げて、背中にお土産どっさりしょって孫
に会いに来てくれていました。
日本の上空にて
飛行機の中から見えた壮大なる雲海
まるで手で掴めそうな雲、雲の海
お爺ちゃんお婆ちゃんたちのところまで
花びらを乗せて運んでおくれ
私はそのとき窓際の方をボーッとして
自然界の雲に見惚れていたら、
私は窓際の方に手を延ばしていた。
まるで今にも掴めそう
でもこれはこれは水蒸気だ
神秘的で美しい
どこまで続くのだろうかこの美しい大海
雲の下では人間社会の動静が寄り添って
今日もまた明日もそれが繰り返され人間の
様々な動きが形になって現れる現代社会
いままさに未知の世界だ。
お爺ちゃんお婆ちゃんたち見守っててね。
間もなく着陸態勢に入りますのアナンスに
私はハットして正気に戻り
乗務員の方に笑顔をお返しした。
間もなく東京羽田空港だ
5月27日
,
|