次の日曜日に彼女は早速私の家にいらした。
当時私は大田区のお屋敷町に住んでおりましたので、このベランダから見える
可愛い小鳥たちのさえずりや四季の草花を見てもらいたくて、それにベランダに
は食べられないほどのゴーヤにがごぃがなっておりましたので、驚かせようと思い家
に招きました。
彼女は私へのプレゼントだと言ってなんと60枚のハンカチとタオルをプレゼ
ントして下さった。それには驚きまして言葉が出ませんでした。
長い間自分の心の喜びとして、ハンカチーフやタオルなどをコレクションしていたも
のを、初めて逢った私へのプレゼントに私はあの時はを感謝感激致しました。
その後私も東京郊外に引越ししてここ東京にいないことも多く、彼女とのご縁も
だんだん薄れて来ていましたので、今年になって久し振りにお電話をかけて見
ましたら定年で会社を退職して、新しい会社に入って頑張っている様子でした。
早速再会する事になりました。
私は新宿駅の交番のところに立っておりましたら、群集の中を少し足を引きず
りながら私の方へと近づいて来る彼女の姿が見え隠れしました。
私は周り構わず懐かしさのあまり
●「ジュンちゃんこっちよーと行って私は走っていった。
お久し振りねお元気だった?。」
「こんなに手先が曲がって来たのよ ホラねー 足も悪くなってね。」
●「この真っ白い奇麗な手がこんなに曲がって可愛そうね、何とかならないのか
しら?精神的な苦労からこうなったのよね。前お勤めされていた会社の時に手
が少し曲がったと言って入院されましたね。」
「それに足も悪くなってきて今年の1月2月は風邪をこじらせて大変だったのよ。」
●「失礼ですけどちゃんと食べてますか。それを前からうすうす感じていたのでね。
ここではなんですから素敵なカフェに行きましょうーー 美味しいケーキセットでもご
馳走しますよ。」
●「これどうぞ。」
「これなんですか。」
●「魔法の一発塗り薬です 頭をドンと打った時や角でドンと打った時につける
一発塗り薬です。これはある地方では有名な塗り薬なんですよ。」
「とても香りがいいですね。」
●「もう一つこの紙袋提げてお帰りくださいませんか。大した物ではありませんが
息子さんのためにもお母さんは栄養をつけてもらわなと困りますますからね。
塗り薬のついでですけど私ねいつもバッグの中に非常救急箱を入れています。
それに非常ベルやライトも入れています。誰かが怪我したらすぐ消毒ぐらいして
差し上げたいですからね。」
「すごいですね。」といいながら彼女は照れ笑いをしながら、
「これ良かったらどうぞ。」と言って私に差し出した物は、あの有名なデパートの包
装紙に入っているそれはなんとブランドのハンカチーフでした。
苦労から苦労をなさっているのにこんな奇麗な美しいものを、又頂戴して私は
胸が熱くなってきました。
この有名なブランドのハンカチーフは手触り感を一度覚えてしまいますと、手放
せなくなってしまうほど上質の素材を厳選して作っていますので、手にしたその
瞬間に高級感を感じる事が出来ます。
それに抜群の吸湿 吸水性 発散性はさすがです。
何よりも彼女の心の中に隠れている一粒の光のようなセンスを、この一枚の布
に奥の深さを感じる私です。」
有り難う 優しいジュンちゃんへ
5月の半ば