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 ポンチャン.com   
  


普賢岳の千羽鶴さん


A普賢岳の皆さんのために




さぁ、待ちに待ったショーの初日だ!

いつの間にか私の体も快調そのもの。ロビーの美しく着飾ったお客様のざわめきが

開演まぎわになると一段と強くなり、楽屋まで響いて私を活気づける。

聞き覚えのある元気な声が聞えてきた。それは仲間の着物学院の先生方である。

私は気が張っているのに人様の人情味に涙が溢れてどうしょうもなかったその時、

見たこともない人が私に1枚のタオルを渡した。

こんなに多くの人様に支えられているのかと思ったら、私はもっともっと人様の

ために頑張らなくてはならないと思った。

食事をする事も忘れかけていた私たちの所へ、老舗ホテルの美人若奥様とホテル

のスタッフの方から美味しいお食事のおもてなしを受けた嬉しさは、今なお私の忘

れられない思い出となっています。

照明、音響、ビデオ、司会と入念に打ち合わせに時間をかけ、

さぁポンチャンショーの始まりだ!

その時、スタッフの一人が走ってきて、

「お客様が満員でまるで壁に貼り付けられているようですよ。」と満面の笑顔を浮か

べて興奮気味に話し出した。

そして、いよいよ開演です。

もう言葉は必要ない。スタッフ通しの目と目の合図で十分に心が通っている仲間た

ちであった。 

池田さんの司会が会場に響き渡り音楽がかかった。

そして私の一人芝居、ピエロ、コント、歌、着物ショーとめまぐるしく続き、一部は

終った。

第二部は音楽の先生のお弟子さん達の歌の披露である。

それから、いよいよ献金だ!

私はいつもより腰を低くして雲仙普賢岳のためにどうぞよろしくお願いいたします

と会場を回った時、皆様の誠意が会場いっぱいに広がった。

公演の後持ちきれないほどの花束を抱えて私たちを待ってくださったのは、知り合

いの方の心温まる手作りの薩摩料理でした。

翌朝スタッフとともに新聞社に電話をしたら、献金の締め切りが既に締め切られたこ

とを知りました。

しかし、そのとき私の頭に勇気ある閃きが起きた!

思い立ったら吉日、すぐ電話のダイヤルを回した。

電話の相手は長崎県雲仙普賢岳の役場であった。

避難中の町の方々に是非慰問をさせてくださいませんかと申し入れました。

それなら資料を送ってくださいと言うお返事を頂いたので、さっそく郵送する事に

なった。

数日後、助役さんの温厚な声が電話の向こうから届いた。

資料を見させて頂きました。どうぞおいでくださいお待ちいたしますと言うご丁寧な

お返事を頂戴いたしました。

早速、私たちスタッフは準備を整え、雲仙行きの朝を迎えた。

                                   
次は、船旅


普賢岳の千羽鶴さん 目次







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     エッセイ集目次

1 私の日常生活

2、薩摩おごじょ

3、国内の旅


4、海外の旅

5、自転車日本縦断の旅

6、普賢岳の千羽鶴

7、阪神淡路大震災

8、私の服飾観


9、命が延びる食生活

10、思い出は霧に包まれて

11、世界で一番大好きな

12、高隈山 戦争


13、松竹梅 一本松