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 普賢岳の千羽鶴さん 


C千羽鶴


役場にようやく到着した。

この大変な時期に町長さんや助役さん、職員の方の暖かい出迎えを受けて、美味

しいお茶を飲みながら緊張がほぐれていった。

私たちは再び職員の方の車に乗り、ショーが行われる雲仙温泉へと向かった。

そこは国道から曲がりくねった私道へ入り、急坂を上り山岳間部へと急ぐ、途中

で仮設住宅が見えてきた。

下校途中の小学生の集団が目に入った。大きなランドセルに大きなマスク、そして

ヘルメットをかぶって家路を急ぐ足取りが印象的だった。

子供たちは夢膨らませる千羽鶴の羽ばたきに見えたが、この現実の前では

、故郷の山、美しい海の思い出は永遠に消えることはないでしょう。

この子供たちも長い道のりを深い心の傷を背負い、それを人生の糧として

強くたくましく生きて行くことは間違いないと思っております。

ここは安全地帯であり、普賢岳は遥か向こうであった。

しかし、やはりこの地も灰色に染まっていた。

普通ならあの山々の四季折々の景観に見とれていた所だろう。

特に天然記念物に指定されている普賢岳の広葉樹林は、つい最近まで紅葉

して燃え立ち海の青とのコントラストが美しく映えていたに違いない。

しかし、今なおこの普賢岳は牙をむいている。

長崎県の農業の作付け面積は全国上位だと聞いたことがあったが、それには

当然のことながら、この地の段々畑も含まれているのだと思います。

何よりも天の恵みに囲まれたこの美しい海はかけがえのない神様からの贈り物だ

と思います。

そして車は山岳部へ入っていった。

                                       

次は、雲仙温泉

普賢岳の千羽鶴さん 目次







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     エッセイ集目次

1 私の日常生活

2、薩摩おごじょ

3、国内の旅


4、海外の旅

5、自転車日本縦断の旅

6、普賢岳の千羽鶴

7、阪神淡路大震災

8、私の服飾観


9、命が延びる食生活

10、思い出は霧に包まれて

11、世界で一番大好きな


12、高隈山 戦争


13、松竹梅 一本松