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 ポンチャン.com   
  

自転車日本縦断


16、鹿児島県


長いトンネルを通り抜けて鹿児島県出水市、阿久根市へと立て続けに入った。

33日目、阿久根では知り合いが旅館まで私を訪ねて来てくれた。

だが、私の体調が思わしくなかった。私は夢と希望を膨らませてここまで気力でペタルを踏

んで来た。鏡を見ると肌が真っ黒く焼けているのに気付いた。以前の姿はもはや見る影

もなかった。


国道から見える阿久根の蜜柑園、そして透き通った奇麗な海、私は自転車を下りてこの

広い海と空に見とれてしまった。芝生に腰を下ろして地元の若夫婦からもらった阿久根

蜜柑を口に入れた。その蜜柑はまるで新婚さんのように甘かった。

鹿児島市を目指してスピードを出していたら車の中から、

「ポンチャンご苦労様。」

と声援をかけられた。

突然鹿児島の友人から電話が入った。郡山町の国道に待っておりますと言われた。

市来町・東市来町と入り、三号線を郡山町へ入った。そこにはファンの方たちの懐か

しい顔があった。再会を喜びあった。私は感激で涙がどっと溢れてとまらなかった。

そしてファンの方の車の前を私は自転車で疾駆した。そこは大きな温泉と美味しい

薩摩料理が私の帰りを迎えてくれた。

その頃になると、携帯電話がひっきりなしに鳴り響いた。無事鹿児島県に帰ってきた

ことを祝う電話が次々にかかってきた。薩摩人の人情味に私は心から感謝した。

奇麗な布団で私はすぐに深い眠りに落ちた。





次は薩摩おごじょ お帰り

自転車日本縦断の旅 目次







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     エッセイ集目次

1 私の日常生活

2、薩摩おごじょ

3、国内の旅


4、海外の旅

5、自転車日本縦断の旅

6、普賢岳の千羽鶴

7、阪神淡路大震災

8、私の服飾観


9、命が延びる食生活

10、思い出は霧に包まれて

11、世界で一番大好きな

12、高隈山 戦争


13、松竹梅 一本松