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 ポンチャン.com   
  

薩摩おごじょ

第二章  人情味


 

●それでは先ほどの続きから始めたいと思います。

あっそうでしたねこのサングラスもベストも東京で買わせていただきました。

「暖かそうで珍しいロングベストなんですね。」

●「有り難うございます。そう言いますと最近とくに感じているのですが、ご年配の

方がたのお好みそうなお洋服売り場が少なくなりましたですね。」

「本当にそう思いますよ今日は優しいお婆ちゃんを喜ばせようと思って買い物

に来たのですが、なかなか目当ての品がなくて今困っていたところなんですよ。」

「私もですね祖父母の洋服を買いに来たのですけど、探すのにひと苦労してい

るところなんです。」

「奥さんたちの気持ち良く分かりますよ 探すと言うのは本当に肉体を使います

よね。それに喫茶店に二度ぐらい入りますから余計な出費は重なるわ足はだるいわ、

でもあの祖父母の目を細めて喜ぶ顔は疲れを一変にふっ飛ばしますからね。」

●「皆さん本当に優しい方がたなんですね。」

「実は私事なんですけどね輸入物のズボン下を買いましたら、ふくらはぎのとこ

ろが真っ赤に炎症を起こしましたのでもうその下着は捨てました。」

「それは大変でしたねそのような素材の製品は知り合いにも上げられませんも

のね。」


「ご年配の方がたには一日でも長く長生きしてもらって、私たちの知らない昔の

話を聞かせてもらいたいですよね。」

●「私もそう思いますよご年配の方がたは長い年月この国をしっかりとお守り下

さいました。日本の貴重な食材などあらゆる面において、広く貢献をなさって下

さいましたのですから、私たちは本当に感謝をしなくてはバチが当たりますね。

私も両親が他界した後あれもこれもして上げれば良かったと、今もって後悔ば

かりしております。私が水を飲みたいときはお写真の両親のところに水を持って

行き、喉が渇いたでしょうーーといつもひとり事を言います。

姿はなくてもいつも一緒なんですよね。」

「親と子は切っても切れないご縁なんですものね。」

「私たちも皆さんといつも両親の話をするんですよ。」

「親から教えられたしつけが今になってみると、とても必要性を感じる事ってあり

ますよね。」


●「私もそう思いますよ年を重ね度に両親がやっていた事を知らず知らずの内

に自然と身についていることがありますね。親の背中を見て育った時期や時間

はもう二度と戻って来ませんから、その子の一生を左右するのも両親の育て方

の責任は重いと思いますね。」

「今の時代の教育のあり方にも問題ありですね。」

「ここのカフェにお入りになられた時、経営者の方や働いていらっしゃる皆さんに

素敵な笑顔で深深とご挨拶をされていましたね。私たちは特別なお仕事をされて

いる方と思いましたので、そのご挨拶の美しさに見惚れました。」

「きっとお母さんがいつもそうされていたのですね。」


●「有り難うございます。実は鹿児島に帰って来ていつも心温まることがあるん

ですよ。私が着物学院で教えておりました頃の生徒さんたちが、私にご挨拶を

なさるその美しいお姿に私は感動と感謝をしてつい涙がこぼれます。時代は変

わってもあの時のままなんですよ。」

「いいお話ですね大都会で色々とご経験をなさって、背伸びしながらも強く生き

ていらっしゃると思いますので、そのギャップがここ鹿児島にお帰りになられて

本当の自分に戻った時に、喜びが数倍に膨れ上がるのだと思いますよ。

私も関西に長くおりましたからそのお気持ちは良く分かります。」


●「鹿児島の方がたは正直でそして人情味に溢れて、私は長い間本当に支え

られております。」

「日本人としてお作法はとても大事な事ですね。」

「この年になってから真似が出来ますかね。」


●「真似をなさらなくてももう十分でございますよ。」

先ほどの続きなんですけどねふくらはぎのところが真っ赤になって、下着を捨て

られたとおっしゃいましたけどもう大丈夫なんですか。」

「はい下着を綿に取り替えましたので治りました。」

●「大人の人ならすぐ体の事は分かりますけど、これが子供だったら痒くてポリ

ポリかいて化膿でもしたら大変ですね。」

「このアレルギーと言うのは厄介て食べ物でもアレルギーを起こす食品がありま

すね。それに若い時は何でもなかった事がある日を境にアレルギーになったと

言う話を良く聞きますよ。」

「このように気候の変化が激しいですと、下着選びはどのようになさっていらっし

ゃるのですか。」


●「私はまずデザインよりも素材を重視して買うようにしております。

まず体に良い綿織物の製品とシルクの製品です。このコットンは産地ごとの特

徴によって品質が異なると言うのは当たり前と思いますけど、昔から言われて

おりますように、まず弾力保湿力それに1本1本の繊維から出る汗の水分を吸

う吸収力がすごいと言われていますね。。」

「そう言いますと私のお婆ちゃんがそう言っておりましたね。」

「綿はしわや縮みになり易いですね。」


●「確かにおっしゃるとおりです。

私たちが霧を吹きかけてアイロンをかけようと思ったときに、真っ先に頭をよぎ

るのはそれはあの真っ白いカッターシャツですね。

あの頃のあの綿のシャツ地は今とても貴重で手に入りにくいそうなんですよ。

あの真っ白いシャツこそが本当の綿の王様と言っても過言ではないと思います。」

「今日は帰りに綿製品の下着でも買って帰りましょう。」

「何処かいいお店ありますかね。」

「実は私の仲間に偉い下着に凝っている人がいますよ。下着なんて見えないの

に私からすると贅沢と思いますけどね。でも人それぞれですかね。」


●「私の仲間にも下着に凝っていらっしゃる方が何人かいらっしゃいますよ。

そのような方とお付き合いを致しますと、お洒落についての話題が限りなく続き

いいお勉強をさせてもらっております。」

「構わない私など恥ずかしくなってきました。」

●「子育てのときは皆同じですよ これからが楽しみですね。」

「ここらでご休憩をいたしましょうね。」

「コーヒーと美味しいケーキを運んでくださいーーー。」






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    エッセイ集目次

1 私の日常生活

2、薩摩おごじょ

3、国内の旅


4、海外の旅

5、自転車日本縦断の旅

6、普賢岳の千羽鶴

7、阪神淡路大震災

8、私の服飾観


9、命が延びる食生活

10、思い出は霧に包まれて

11、世界で一番大好きな


12、高隈山 戦争


13、松竹梅 一本松