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 ポンチャン.com   
  

    薩摩おごじょ    


第四章  礼を知る
 

             


「私は今も朝早くから手作り料理を毎日やっておりますので、ここ何年も
 
東京では外食をしておりませんね、それに夜の無駄な外出も極力控えて
 
おります。ところが帰省致しましたら次の夜から毎晩のように目一杯おめか

しして、
気のあった仲間たちと素敵なレトル喫茶へ直行いたします。
 
そして煎りたての極上の香り高き一杯のコーヒーを味わいながら、手作り
 
のレアチーズケーキを口に運びつつ、女性特有の解決しない話題にすっ
 
かり溶け込んで、それはまるで科学の分子の如く夢や希望が広がり、心
 
も時間とともに満ち溢れて来ます。時は過ぎ行く夜も更けてラストの11時

まで楽しく語り合い、そして又の
再会を待ちます。」
 
「夜が似合わない方と思いましたけど、やはり地元鹿児島では気が楽に
 
なるのですね。
 
「それは確かにそう言えますねお昼にお仕事をされている方がたで

すから、それにわざわざ東京まで逢
いに来て下さるのですよ。私のサービス

精神が夜だろうと昼だろうと逢い
に行きます。ただ私は座席でのんびりと

飲食をする雰囲気が好みではありませんから
皆さんと良くレトル喫茶に

行き軽食を頂きます。」
 
「今はカフェでも軽食などがありますから助かりますね。」
 
「それに和菓子屋さんも落ち着きますね。」
 
「それじゃ東京へ帰りましたら自由ヶ丘に素敵な和菓子の喫茶がござ
 
いますから、時にはお着物を着て蛇の目傘でもさして、静かな佇まいの
 
和菓子屋さんに出かけましょうかね。」
 
「雨ふれふれですねきっと素敵でしょうね。」
 
「皆さんここからちょっと下を覘いて見てくださいませんか。
 
私お正月帰って来ました時には向こうの方の繁華街で、餅付き大会に
 
ご参加させていただきまして、この繁華街に来るのは久し振りですけど随
 
分この辺変わりましたですね。
 
真下のそこから向こうへ五軒目なんですけどね、確か私が三年前に帰っ
 
て来た時には、まだ奥さんがお店をやっていらっしゃいましたよ。あの時は
 
ご挨拶をしたんですけどね。
 
お店を閉じられて何処かへ行かれたのでしょぅかね。」
 
「噂なんですけどねお店を移転されたそうですよ。」
 
「それならいいですけどここにあった物がある日突然なくなっていると言う
 
ことはちょっと心に穴が開きますね。」
 
「私もあそことは挨拶をしておりましたので、なんだか淋しくなってきました。」
 
「こんなに寒いですと余計に淋しいですね。」
 
「私は淋しがりやですから皆さんのお気持ちが良く分ります。」
 
ううううあっ奥様がおっしゃると本当に哀愁があって現実感が伝わってき
 
ますね。旦那様にもそのようにお優しいお言葉でお話をなさるのですか。
 
いつまでも愛されますね。」
 
「この方は元々都会の方ですから今日はいいお話が聞けると思って、お
 
誘いをしました。垢抜けしていますでしょう。」
 
●j「とても奇麗ですね今日はわざわざお越し下さいましてありがとうございました。」
 
「それからそこを曲がった角に婦人服の輸入物のお店がありましたよね。」
 
「思い出しました。あすこでお買い物をしたことはありませんが、確かに超
 
高級服と言う感じが致しましたね。
 
それに女性なら憧れるようなお洋服ばかり置いてあるお店でしたね。
 
あの頃は私は着物の世界に浸っておりましたから、そんなに欲しくもない
 
のにちょっと格好を付けて、ウインドーショッピングを楽しんでおりました。」
 
「格好を付けられるだけでもいいですよね。」
 
「私はここに親戚がありまして長崎からここ鹿児島に良く遊びに来てお
 
りました。主人とは今もお手手繋いで一時も離れないでとても仲良しです。」
 
「ご馳走様でした 末長らくお幸せにね。」
 
「皆さん先生が一番好きな鹿児島の頴娃茶と、さつまいものケーキを
 
頂きましょうね。」



第5章へ続く

薩摩おごじょ 目次

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     エッセイ集目次

1 私の日常生活

2、薩摩おごじょ

3、国内の旅


4、海外の旅

5、自転車日本縦断の旅

6、普賢岳の千羽鶴

7、阪神淡路大震災

8、私の服飾観


9、命が延びる食生活

10、思い出は霧に包まれて

11、世界で一番大好きな


12、高隈山 戦争


13、松竹梅 一本松