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薩摩おごじょ


 第十二章
  
   バランス@ 
      
「ここ鹿児島も随分と変わりましたから驚かれたのではありませんか。」
 
●「そうですね数年前からなんですけど時に東京で飲むコーヒー店がここ鹿児島
 
にも進出して来て全国チェーンになっておりますね。時代は前へ前へと進むのも

早くこの町も驚くほど変貌しております。私たちもそれだけ年齢を重ねたのだと

言う事ですね。都会と地方の違いはまず面積ですね。それによって限られている

範囲内で物が急ピッチに動いていると言う感じが致します。」
 
「実は私年末に東京に行き電車に乗りましたら、皆さんが地味な雰囲気でとて
 
も暗いイメージが致しましたので、これが大都市東京の人のファッションかと少し
 
驚きました。」
 
●「そう言いますと東京の電車に乗りますと殆どの人が単色のモノトーンですね。
 
この黒、灰色、白の一色はシックでクールと言われておりますが、それがみんな
 
同じ個性のファッション感覚に見えたりもしますけど、でもこのようなモノトーンは
 
若さ故に様になっていると思いますよ。又中高年の方のモノトーンはトップスに

奇麗な色を持って来ますと一味違った雰囲気をかもし出してくれると思いますが、

そのような個性の方は私が電車に乗り合わせる時間帯には不思議と遭遇しま

せんね。でも大都市東京でも麻布、銀座、広尾、自由ヶ丘、二子玉川などと言っ

たお洒落な町に行きますと個性豊な方が多いです。」
 
「やはりお洒落な町に行きますとみんなお洒落を目一ぱいなさるのですね。
 
それから私は銀座をおそろおそろ歩いて見ましたが、さすがに銀座と言うだけ

ありまして個性豊なお洒落な方がたがメイン通りをさっそうと歩いていました。
 
さすが大都市東京だなぁーと思いました。お買い物をしておりましたら
 
『関西の方ですか。』と尋ねられたので
 
『九州なんですよ。』と言いましたら
 
『なんとなく言葉が関西のほうの方に見えましたもので。』と言われました。」

 
たんぽぽ●「東京から見た関西方面の方は九州四国の方が多い

ですので、言葉のアクセントですぐ分かるのでしょうね。
 
日本語は英語のように強弱のアクセントがありませんの

で、関西と関東では特にこの高低アクセントがはっきりと

していますからすぐ分かるのですね。
 
生まれ育ったところのアクセントを直すのには、人との

接触を多く持ちませんとなかなかそう簡単にはいきま

せん。」
 
「私も関東と関西には良く行くのですが良く関西の方で

すかと言われます。同じ日本人ですのに言葉や味覚そ

してファッションの好みなどが何故こうも異なるのかと答えにもならないようなことをつい

考える私です。」
 
「私も帰りに大阪と神戸に立ち寄りましたが、ご婦人方のファッションがとても奇
 
麗な配色で私の好みでもありますから自分との近親間を感じました。」
 

●「私も奇麗な配色が好みですのでそのお気持ち良く分かります。
 
やはり関西の方は明るい色の濃い配色を好まれているようにお見受けいたしま
 
すね。」
 
「それからあるアーケードの一角で人溜まりでしたので、私もちょっと覘いて見ま
 
したら、それがすごく洗練された図案の軽そうなブランドの高級バッグでした。
 
みなさんはお幸せそうなお顔でその場が大変活気に満ち溢れていましたが、私
 
は次を楽しみにしてその場を離れました。」
 
●「東京でもあちこちでイベントをやっていますよ。
 
この手のバッグは大御所ブランドの三大スーパーブランドと言いまして、日本の
 
家紋からヒントを得たダミエとかモノグラムと言った図案のバックで、その洗練され
 
たデザインはこのブランドの代名詞と言われています。人溜まりだったと言われた
 
のでそのブランドだったと思います。自分の欲しいものになかなか出会うと言う

チャンスがありませんので、それは活気に満ち溢れていてとてもお幸せなことで

すね。ある日本の高級ブランドで本社が東京なのですけど、そのブランドは全国

に店舗を構えておりましてとても個性的で高級感漂うお洋服で、実はこのブランド
 
が東京よりも大阪のほうで人気があるそうです。そして自分なりの心のスタイル

を拘り続ける女性は、向上心も持ち合わせていますから女性として魅力的ですね。」
 
「ファッションにしても味覚にしても関東向き関西向きとしてこの社会で抵抗なく
 
成り立っているのですね。」
 
●「そうですね。まず昔から地域によって自分たちの文化が成り立って来たと言

う事ですね。勿論そこにはお互いの情報交換などもあって、長い時間と時を超え
 
自分たちにふさわしい地域社会に努力を積み重ねて、そして先祖から今日ま
 
で人のこころの動きによって作り上げられた物だと思います。ですから人は

余暇を見て見知らぬ土地へ旅をしたり、初めて触れる町の異なった文化に

興味を示し、新鮮な気持ちになって自分発見をするのですね。何事に対して

もこのバランスと言う言葉は生活する上で、もっとも大切な要因になっている

のだと思います。」
 


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薩摩おごじょ 目次

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    エッセイ集目次

1 私の日常生活

2、薩摩おごじょ

3、国内の旅


4、海外の旅

5、自転車日本縦断の旅

6、普賢岳の千羽鶴

7、阪神淡路大震災

8、私の服飾観


9、命が延びる食生活

10、思い出は霧に包まれて

11、世界で一番大好きな


12、高隈山 戦争


13、松竹梅 一本松